喰うなら喰やれ 7-1






声が聞こえた。
目の前で想い人を焼かれた少女の声が。
生きながらにして身を引き裂かれた少女の声が。
子を宿した腹を裂かれ、それでも死ねぬ少女の声が。
その少女の名は―――


嫌な夢を見た。
サリアはベッドから身を起こし、外を見やった。
端整な顔の左半分を唇の端まで覆う龍の刺青が熱い。
まるで蠢く様に疼く。
手で顔を覆おうとすると、涙が手のひらに落ちた。
「泣いていたのか…。ただ、夢を見ただけなのに」
そう、口に出す。
確認するために、敢えて。
刺青は蠢きを止めていた。
思考は恐ろしくクリアだ。
視界に入るものも入らないものも、肌に触れるもの触れないもの、この部屋の中と外、空間の凡てを認識し分析し、支配しようと頭が動く。
焼けるような頭痛。
その働きを止めようと、サリアは頭を握り潰さんとばかりに両手を己が頭に張り付ける。
頭蓋骨がひしゃげる、歯軋り、吹き出る汗―――世界が、セカイガツナガル―――


それは恐怖であり快感
それは狂気であり解放
それは脅威であり改進


すべては、いいようになる。
ただ、サリアはそう確信し、それに身を委ね、意識を失った。








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